そろばんノート

退職後の手続きとお金

定年退職後の手続きとお金

厚生労働省と各制度の案内による一般的な説明。

最終確認日 2026年10月14日

定年を迎えた後は、同じ会社で働き続ける継続雇用か、退職するかを選ぶのが一般的です。高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用を確保する措置(定年の引上げ、定年の廃止、継続雇用制度の導入のいずれか)が会社の義務で、70歳までの就業を確保する措置は努力義務になっています(厚生労働省)。退職する場合は、健康保険、年金、雇用保険、税金の手続きを順に進めます。

  1. 退職日の前: 退職金の額と支払時期、継続雇用の条件、退職所得の受給に関する申告書を確かめる
  2. 退職日の翌日から14日以内: 国民健康保険と国民年金(60歳未満)の届出、または任意継続(20日以内)や家族の扶養の手続き
  3. 離職票が届いたら: ハローワークで求職の申込み(65歳になる前に辞めた人は基本手当、65歳以上は高年齢求職者給付金)
  4. 年金の受け取りの年齢の3か月前: 年金請求書が届いたら請求の手続き
  5. 翌年の2月から3月: 年末調整を受けていなければ確定申告(給与や年金の税金の精算)
  6. 翌年の6月: 退職した年の所得にかかる住民税と、新しい国民健康保険料の通知

継続雇用で働く場合

継続雇用では、再雇用の契約で賃金が下がることが多くあります。60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満に下がった場合は、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けられることがあります。働きながら老齢厚生年金を受け取る場合は、給与と年金の合計によって年金の一部が止まる在職老齢年金の仕組みがあります(令和8年4月からの支給停止調整額は65万円)。

継続雇用の間も会社の健康保険と厚生年金に入り続けるのが一般的で、退職後の健康保険の選び方を考えるのは、継続雇用を終えて完全に退職するときになります。

退職する場合のお金

退職金を受け取る場合は、退職所得の受給に関する申告書を出しておくと、税金は源泉徴収で精算が終わります。企業型確定拠出年金やiDeCoの一時金を別の年に受け取る場合は、受け取る順番と間隔で退職所得控除の調整が変わります。失業給付は、65歳になる前に辞めた人は基本手当、65歳以上で辞めた人は一時金の高年齢求職者給付金です。

健康保険は、任意継続、国民健康保険、家族の扶養のどれかを選びます。退職した年の国民健康保険料は前の年の所得で計算されるため高くなりがちで、任意継続との比較が大切です。75歳になると後期高齢者医療制度に移ります。

年金と失業保険の調整

65歳になるまでに受け取る老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金など)は、失業給付の基本手当を受け取っている間は止まります。65歳以後に受け取る老齢年金は、高年齢求職者給付金と同時に受け取れます。年金の受け取りを遅らせる繰下げや、早める繰上げを選ぶと、年金額が一生変わるため、退職後の収入の見通しと合わせて考えます。

退職した翌年は、住民税が前の年の所得で計算されて届くため、収入が年金だけになった年でも負担が残ります。退職後1年のお金の出入りを、このページの順番で書き出しておくと見通しが立てやすくなります。

よくある質問

定年退職でも失業保険はもらえますか?
働く意思と能力があり求職活動をしていれば受け取れます。定年退職は、一般的には給付制限のない離職として扱われます。
定年後に国民年金に入る必要はありますか?
60歳以上の人は国民年金の加入義務がないため、手続きは不要です。60歳未満の配偶者を扶養していた場合は、配偶者の切り替えが必要です。

定年前に確かめておくこと

定年の半年から1年ほど前には、継続雇用の条件(勤務日数、賃金、契約の期間)、退職金の額と支払時期、企業年金の受け取り方、年金の見込み額(ねんきん定期便やねんきんネット)を確かめておくと、継続雇用か退職かを比べて選べます。

計算の前提と出典

最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額と日付は、公表されている料率とルールで出した目安です。実際の保険料と税額は市区町村や保険者(協会けんぽ・健康保険組合)が、手続きの扱いは会社と各窓口が決めます。このページは、どなたかが対象になるかどうかを判断するものではありません。