若い人のエンディングノート
20代や30代のエンディングノートは、事故や急な病気で連絡がとれなくなったときに、家族がスマートフォンの中の契約やお金に気づけるようにするためのものです。全部を書く必要はなく、連絡先、契約、デジタル、財産、基本情報の5項目から始めれば十分に役立ちます。
最終確認日 2026年10月18日
20代・30代が書く理由
エンディングノートは高齢になってから書くもの、と思われがちです。けれども事故や急な病気で本人が話せなくなることは年齢を問わず起こり、そのとき家族がいちばん困るのは、本人のスマートフォンの中にある契約やお金の存在を知らないことです。
国民生活センターは、亡くなった家族のスマートフォンが開けずにネット銀行の契約先がわからない、サブスクの請求を止めたいのにIDとパスワードがわからないといった相談を紹介しています。総務省の調査をもとに、20〜59歳の各年齢層の約9割がスマートフォンでインターネットを使っているとも示していて、若い人ほど契約がスマートフォンの中だけで完結しています。
最小の5項目から始める
若い人は、全部のシートを埋める必要はありません。家族が最初に困ることに絞って、連絡先、契約一覧、デジタル、財産一覧、基本情報の5つを書いておけば、もしものときの手がかりとしては十分に役立ちます。
医療・介護の希望や葬儀の希望は、考えがまとまったときに書き足せば構いません。ひとり暮らしを始めたとき、就職や転職、結婚のように暮らしが変わる時期を、書き始めたり見直したりする目安にすると続けやすくなります。
| 項目 | 書くこと | 家族ができるようになること |
|---|---|---|
| 連絡先 | 親、きょうだい、親しい友人、勤め先 | 誰に知らせればよいかがわかる |
| 契約一覧 | スマートフォンの料金、サブスク、クレジットカード | 毎月の請求を止められる |
| デジタル | スマートフォンの置き場所とロック解除の手がかりの保管場所、主なアカウント | 写真やメッセージの扱いを決められる |
| 財産一覧 | ネット銀行、ネット証券、コード決済、奨学金などの借入 | 家族が気づきにくいお金を確かめられる |
| 基本情報 | かかりつけ医、常用薬、アレルギー、保険証の置き場所 | 入院のときに役立つ |
デジタル遺品の整理
デジタル遺品とは、スマートフォンやパソコンの中のデータや、インターネットで契約したサービスのことで、国民生活センターは機器そのものは含めないとしています。写真や動画、メッセージ、SNS、ネット通販のアカウント、サブスク、ネット銀行やコード決済の残高がこれにあたります。
整理のしかたとしては、まず端末の置き場所とロック解除の手がかりの保管場所を決め、次に使っているサービスの名前を一覧にして、解約や削除をしてほしいか、残してほしいかを書いておきます。サービスによっては、亡くなったあとにアカウントを扱える人をあらかじめ指定できる仕組みもあるので、使っているサービスの設定を一度確かめておくと安心です。
よくある質問
- 親にエンディングノートを書いたことを伝えておいたほうがいいですか?
- 伝える相手は、実家の親でも、いっしょに暮らす家族やパートナーでも構いません。誰か1人が保管場所を知っていれば、もしものときにノートが開かれます。中身を見せるかどうかは、相手との関係に合わせて決めます。
- 一人暮らしで、近くに家族がいないときは?
- 保管場所をメッセージアプリなどで家族に伝えておくか、部屋のわかりやすい場所に「もしものときはこのノートを」と書いた封筒で置いておく方法があります。勤め先の緊急連絡先と、ノートの連絡先の内容をそろえておくと、連絡が届きやすくなります。
- どのくらいの頻度で見直せばいいですか?
- 若い人は契約やアカウントの入れ替わりが多いので、年に1回に加えて、スマートフォンの機種変更や引っ越し、転職のときに見直すと内容が古くなりにくくなります。見直した日は更新履歴に書いておきます。
出典
最終確認日 2026年10月18日。このページは一般的な情報で、遺言や相続、後見の個別の判断は、司法書士・弁護士・公証役場・法務局・家庭裁判所の相談窓口で確かめてください。