そろばんノート

住民税のしくみと計算

引っ越したときの住民税

住民税は1月1日に住んでいた市区町村が1年分を決めるため、年の途中で引っ越しても二重に払うことはありません。納付書の送り先と、海外へ引っ越すときの手続きをまとめました。

この内容は2026年10月31日時点のもので、令和8年度分(2025年の所得)の住民税を説明しています。

最終確認日 2026年10月31日

住民税は、その年の1月1日に住んでいた市区町村が、前の年の所得をもとに1年分を決めます。1月2日以後に引っ越しても、その年度の住民税は引っ越す前の市区町村に納め、新しい市区町村に二重に納めることはありません。

新しい市区町村に住民税を納めるのは、引っ越した翌年の1月1日にそこに住んでいる場合で、その年の6月から始まる年度の分からです(地方税法 第318条、例: 浜松市)。

1月1日の住所とは

住民税の「住所」は、原則として住民基本台帳(住民票)に記録されている住所です(地方税法 第294条)。12月に引っ越して年内に転入届を出していれば、1月1日の住所は新しい市区町村になります。引っ越したら14日以内に転入届を出すことが住民基本台帳法で決まっているので、年末の引っ越しでは届け出が年をまたがないように気をつけます。

住民票を移さないまま別の市区町村で暮らしている場合、住民票のある市区町村から課税されるのが一般的です。ただし、実際に住んでいる市区町村が、その人を住民票に記録されている人とみなして課税することも法律で認められています(地方税法 第294条)。

会社員の場合

給与から引かれている(特別徴収の)会社員は、引っ越しても勤め先を通じて同じ額が引かれ続けます。納める先は1月1日の市区町村のままで、手続きは勤め先が住所の変更を届けるだけです。翌年度からは、新しい住所の市区町村が計算した額に変わります。

1月1日をはさんで引っ越すときは、勤め先に新しい住所を早めに伝えておくと、1月31日までに出される給与支払報告書が新しい市区町村に届き、翌年度の手続きがスムーズになります。

納付書の送り先

自分で納めている(普通徴収の)人の納税通知書は、1月1日に住んでいた市区町村から、新しい住所に送られます。転出届で新しい住所がわかっていれば、その住所に送るのが一般的です。郵便局に転居の届けを出しておくと、旧住所あての郵便も1年間は新しい住所に届きます。

6月より前に引っ越した人で、6月に納税通知書が届かないときは、1月1日に住んでいた市区町村の住民税の担当課に問い合わせます。納付の方法は住民税の支払い方法にまとめています。

海外へ引っ越すとき

1月2日以後に海外へ引っ越す人は、その年度の住民税を日本に納めます。出国の前に1年分をまとめて納めるか、日本に住む家族などを納税管理人に決めて市区町村に届け、納税通知書の受け取りと納付を任せます(地方税法 第300条、例: 練馬区、例: 中央区)。会社員は、最後の給与から残りをまとめて引いてもらう方法もあります。

12月31日までに海外へ転出して、1月1日に日本に住所がなければ、その翌年度の住民税はかかりません。ただし、海外にいる期間が1年未満で、日本に生活の本拠が残っていると判断されると課税されることがあります(例: 世田谷区)。帰国した年は、翌年1月1日に住んでいる市区町村から、帰国後の所得にかかる住民税が来ます。

引っ越しの年の確かめ方

引っ越した年は、どの市区町村から、いつ、いくら請求されるかを、1月1日の住所で整理しておくと迷いません。新しく働き始めた人や転職した人のタイミングは住民税はいつから引かれるか、退職と重なる人は退職後の住民税も確かめてください。

自分の住民税の額についての質問は、住民税を決めている市区町村の住民税の担当課(税務課など)が窓口です。住民税は税務署ではなく市区町村が計算します。

よくある質問

引っ越したら住民税は安くなりますか?
標準税率は全国同じなので、多くの場合は変わりません。均等割や所得割に超過課税をしている市区町村や都道府県、非課税の線が違う級地の市区町村に移ると、少し変わります。
2つの市区町村から住民税の通知が来ました。
1つの年度の住民税は1月1日の市区町村だけが課税するので、別の年度の分か、二重に課税されているかのどちらかです。通知書の年度と、1月1日の住所を確かめて、両方の市区町村に問い合わせます。

出典と前提

最終確認日 2026年10月31日。このページは、地方税法と総務省、市区町村の公表内容にもとづく一般的な説明と計算の道具です。住民税は住んでいる市区町村が決める税金で、自分の税額についての問い合わせ先は税務署ではなく、市区町村の住民税の担当課(税務課など)です。金額は標準税率で計算した目安で、超過課税のある自治体や、ここで扱っていない所得・控除がある人は実際の税額と違います。