そろばんノート

家計簿の始め方

複式簿記でつける家計簿

残高の例は、そろばんノートの家計簿テンプレートの記入例(12月の仕訳25行)から計算したものです。

最終確認日 2026年10月17日

複式簿記の家計簿は、1つの取引を「増えたもの・使い道(借方)」と「減ったもの・出どころ(貸方)」の両方から記録し、資産・負債・収入・費用の4つで家計を見る方法です。毎月の支出の合計に加えて、現金や口座の残高、カードで払ってまだ引き落とされていない額、純資産の増減が一度にわかります。

仕訳の書き方

仕訳は、日付・借方・貸方・金額の1行で書きます。お金を使ったときは、借方に使い道(費用)、貸方にお金の出どころ(現金、口座、カード)を書きます。カードで払ったときの貸方は、あとで払う約束をしたという意味で、負債の「クレジットカード(未払金)」です。

取引借方 / 貸方金額(円)
スーパーで現金で払った食費 / 現金2,480
スーパーでカードで払った食費 / クレジットカード(未払金)6,820
カードの代金が引き落とされたクレジットカード(未払金) / 普通預金45,000
ATMで現金を引き出した現金 / 普通預金20,000
給与が振り込まれた普通預金 / 給与(手取り)285,000
積立の口座に移した定期預金・積立 / 普通預金30,000

カードの代金が引き落とされたときは、未払金が減って(借方)、口座が減ります(貸方)。費用はカードで払った日にすでに記録しているので、引落の日には費用を書きません。これで、カードの支出が二重に数えられることも、引落月にずれることもなくなります。ATMでの引き出しや積立のように、資産から資産へ移しただけの取引も、費用にはなりません。

貸借が合う意味

仕訳の1行は、借方と貸方に同じ金額を書くので、すべての行を足すと借方の合計と貸方の合計はそろいます。そろわないときは、科目の書き間違いや、片方だけ書いた行があるという合図です。もう1つの確かめ方が、「今の純資産 = 最初の純資産 + 収入 − 費用」です。テンプレートの記入例の12月では、最初の純資産1,610,000円に、収入705,000円を足して費用231,080円を引くと、月末の純資産2,083,920円と一致します。

科目12月1日の残高12月末の残高
現金30,000円34,200円
普通預金420,000円875,410円
定期預金・積立1,200,000円1,250,000円
電子マネー5,000円7,000円
クレジットカード(未払金)45,000円82,690円
純資産(資産 − 負債)1,610,000円2,083,920円

表の残高は、12月の25行の仕訳から計算したものです。賞与の入った月なので純資産が大きく増えていますが、カードの未払金も月の初めより増えていて、1月と2月の引落に回る額がわかります。

向いている人

口座やカード、電子マネーをいくつも使っていて、どこにいくらあるかを1つの表で合わせたい人に向いています。毎月の支出だけでなく、資産と負債の推移も見たい人、年に一度の大きな買い物を、貯金を取り崩したのか、カードの分割にしたのかで分けて記録したい人にも使えます。

個人事業の帳簿で複式簿記を使っている人には、なじみのある書き方です。事業の帳簿では、青色申告の55万円(一定の要件を満たせば65万円)の控除を受けるために、一般的には複式簿記で記帳することが要件になっています(国税庁 No.2072)。家計の複式簿記は、同じ考え方を家庭のお金に使うものです。

一方で、1回の買い物に2つの科目を書くので、単式の家計簿より入力の手間は増えます。月の支出と予算の差を見るだけなら、ふつうの家計簿で十分です。

自分の表でつけるとき

表計算で作る場合は、日付・借方・貸方・金額・摘要の5列の表に仕訳を入れ、別の表で科目ごとに、借方に出てきた金額の合計と貸方に出てきた金額の合計をSUMIFで出します。資産と費用は「借方の合計 − 貸方の合計」、負債と収入は「貸方の合計 − 借方の合計」が増えた額です。

最初に、つけ始める日の現金、口座、カードの未払い分を期首残高として書いておきます。科目は増やしすぎず、口座は口座ごと、費用は家計簿の項目と同じ名前にしておくと、月の集計とも突き合わせやすくなります。

よくある質問

貯金は費用ですか?
費用ではありません。普通預金から定期預金や積立の口座に移すのは、資産から資産への移し替えなので、借方に定期預金・積立、貸方に普通預金を書きます。純資産は変わりません。
簿記の知識がなくてもつけられますか?
家計で使うのは、現金・口座・カード・収入・費用の5種類ほどの科目と、「借方に増えたもの、貸方に出どころ」という書き方だけです。仕訳の例を見ながら、同じ形の取引をまねて書けば始められます。
ふつうの家計簿とどちらがいいですか?
支出と予算の差を見るのが目的ならふつうの家計簿、残高や資産の動きまで合わせたいなら複式簿記が合っています。ふつうの家計簿で始め、口座やカードが増えてから切り替える方法もあります。

出典と前提

最終確認日 2026年10月17日。表の金額は、そろばんノートの家計簿テンプレートの記入例か、ページに書いた条件で計算した例です。このページは、特定の家計簿アプリや金融機関、カードをすすめるものではありません。