年金は原則として偶数月の15日に、前月までの2か月分がまとめて振り込まれます。家計簿では、振込額の半分ずつをその月と次の月の収入として月割りで見ると、月ごとの収支がわかりやすくなります。医療費と介護費は1月からの累計を出しておくと、医療費控除を受けるかどうかの判断に使えます。
2か月に1回の年金を月割りで見る
日本年金機構によると、年金は原則として年6回、偶数月の15日に支払われ、15日が土日や祝日のときは直前の平日になります。4月に支払われるのは2月分と3月分です(日本年金機構)。下の表は、家計調査の夫婦高齢者無職世帯の社会保障給付(1か月228,614円)を2か月分にした457,228円が、偶数月に振り込まれる場合の例です。
| 月 | 振込額 | 月割りの収入 |
|---|---|---|
| 2月 | 457,228円 | 228,614円 |
| 3月 | なし(2月の半分) | 228,614円 |
| 4月 | 457,228円 | 228,614円 |
| 5月 | なし(4月の半分) | 228,614円 |
| 6月 | 457,228円 | 228,614円 |
| 7月 | なし(6月の半分) | 228,614円 |
振り込まれた月の家計簿だけを見ると、偶数月は大きな黒字、奇数月は収入のない赤字に見えます。月割りの額と支出を比べると、毎月の暮らしが年金で足りているかを判断できます。実際のお金の動きとしては振込の月に入れておき、月割りは見方として別の欄で計算すると、口座の残高とも合います。
月々の目安を決める
総務省の家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の2025年の1か月の平均は、実収入が254,395円、税金や社会保険料などの非消費支出を引いた可処分所得が221,544円、消費支出が263,979円で、実収入と支出の差(差額分)は42,434円の不足と示されています。65歳以上の単身の無職世帯の差額分は、29,980円の不足です(家計調査 2025年平均結果の概要)。
| 2025年・月平均 | 夫婦(65歳以上) | 単身(65歳以上) |
|---|---|---|
| 実収入 | 254,395円 | 131,456円 |
| うち社会保障給付 | 228,614円 | 120,212円 |
| 非消費支出(税・保険料) | 32,850円 | 12,990円 |
| 可処分所得 | 221,544円 | 118,465円 |
| 消費支出 | 263,979円 | 148,445円 |
| 不足分(差額分) | 42,434円 | 29,980円 |
平均と比べて自分の家の不足がどれくらいかがわかったら、貯蓄から毎月いくら取り崩すかを決め、その額を予算の収入として家計簿に入れておきます。取り崩す額を先に決めておくと、使いすぎた月も、余った月もはっきりします。
医療費と介護費の累計
医療費控除の額は、1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費から、保険などで補てんされる額と10万円を引いた額で、最高200万円です。その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を引きます(国税庁 No.1120)。
たとえば総所得金額等が150万円なら、引く額は5%の75,000円です。下の表は、毎月の医療費の例(1年で98,000円)の累計で、10月に75,000円を超えます。保険などで補てんされる額がなければ、控除の額は98,000円 − 75,000円 = 23,000円です。
| 月 | その月の医療費(例) | 1月からの累計 |
|---|---|---|
| 1月 | 6,200円 | 6,200円 |
| 3月 | 9,600円 | 20,600円 |
| 6月 | 12,800円 | 46,100円 |
| 10月 | 9,900円 | 78,300円 |
| 12月 | 8,400円 | 98,000円 |
介護保険の居宅サービスなどの自己負担は、医療系のサービスは医療費控除の対象になり、福祉系のサービスは医療系と併せて使った場合に限って対象になるなど、種類によって扱いが違います(国税庁 No.1127)。家計簿では介護費を医療費と分けて記録し、領収書に書かれた控除の対象額をメモしておくと、申告のときに集計できます。控除の額は医療費控除 計算ツールでも計算できます。
特別費の年間計画
年金生活では、固定資産税や自動車税、火災保険の更新、帰省、冠婚葬祭、家電の買い替えのように、年に数回の大きな支出が家計を左右します。1年分の予定を月ごとに書き出し、合計を12で割った額を毎月の特別費として取り分けておくと、偶数月の振込のあとに慌てずにすみます。
予定の月がはっきりしない冠婚葬祭や医療の出費は、年間の予算だけを決めておきます。1年が終わったら、計画と実際の差を見て、翌年の予算を直します。
有料版のシート
有料版の家計簿ブック 2026には、年金生活のシートがあります。偶数月の振込額を入れると月割りの額と、その月の支出との差と累計が出て、医療費と介護費の累計から医療費控除の目安も出ます。特別費の計画のシートでは、予定の月と金額から毎月の積立額と積立の残高が出ます。
よくある質問
- 年金の振込日が土日や祝日のときは?
- 15日が土日や祝日のときは、その直前の平日に振り込まれます。家計簿の日付は、実際に振り込まれた日で入れます。
- 年金の額は手取りで入れますか?
- 口座に振り込まれた額(手取り)で入れます。年金から差し引かれる税金や保険料の目安は、年金の手取り早見表で確かめられます。
- 医療費控除のために何を残しておけばいいですか?
- 医療費の領収書か、健康保険の医療費通知を保管しておきます。医療費控除の明細書は、医療費通知を使うと、そこに書かれた分の記入を省けます。
出典と前提
最終確認日 2026年10月17日。表の金額は、そろばんノートの家計簿テンプレートの記入例か、ページに書いた条件で計算した例です。このページは、特定の家計簿アプリや金融機関、カードをすすめるものではありません。