そろばんノート

死亡後の手続き

一人暮らしの親が亡くなったとき

一人暮らしの親が亡くなったときは、警察の調査や遺体の搬送、葬儀と死亡届を先に済ませ、そのあとで賃貸の解約や家財の整理、公共料金と郵便の整理に移ります。賃借権と部屋の家財は相続人に引き継がれるので、相続放棄を考えているなら家財を処分する前に判断します。

この内容は2026年10月19日時点のものです。

最終確認日 2026年10月19日

遠方からの手続きの順番

離れて住む親が一人暮らしの家で亡くなったときは、最初の連絡が警察や病院、近所の人や大家から来ることがあります。現地に行く回数を減らすために、急ぐものと、あとで落ち着いてからできるものを分けて考えます。

順番することメモ
1警察や病院からの連絡を受け、亡くなった場所へ行く警察が関わったときは、調査のあとで遺体が引き渡される
2遺体の搬送と葬儀の手配地元の葬儀社に頼むか、自分の住む地域へ運ぶかを決める
3死亡届と火葬の許可亡くなった場所の市区町村でも、自分の住所地でも出せる
4大家・近所・勤務先・親しい人への連絡賃貸なら大家か管理会社に早めに伝える
5公共料金・郵便・携帯の整理空き家になる家は解約と郵便の相談
6賃貸の解約と家財の整理相続放棄を考えるなら、家財を処分する前に判断する

警察の調査と死体検案書

自宅で亡くなって医師が立ち会っていないときは、警察署長が死因と身元を明らかにするための調査を行います(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律4条)。医師は、死体を検案して異状があると認めたときは24時間以内に警察に届け出ることになっています(医師法21条)。

調査が終わって身元がわかると、警察署長は遺族などに死因などを説明して遺体を引き渡します(同法10条)。死亡届には医師が書いた死体検案書を付けます。検案や遺体の搬送の費用は地域や状況によって違うので、警察や医療機関、葬儀社に確かめます。

遺体の搬送、葬儀、死亡届

葬儀は、亡くなった地域で行うか、自分の住む地域へ遺体を運んで行うかで手配が変わります。葬儀の進め方はしきたりノートの葬儀のページで扱っています。

死亡届は、亡くなった場所の市区町村に出すこともでき(戸籍法88条)、届出人である子の住所地の市区町村に出すこともできます(戸籍法25条)。火葬の許可は死亡届を受け取った市区町村が出すので、火葬をどこで行うかに合わせて、届け出る先を決めます。

賃貸の解約と家財(相続放棄との関係)

法務省は、賃借人が亡くなると、賃借権と部屋に残された家財の所有権は相続人に引き継がれると説明しています。部屋の解約や家財の引き取りは、大家が勝手に進められるものではなく、相続人が大家や管理会社と話し合って決めます。

借金があるかもしれず相続放棄を考えているときは、家財を売ったり捨てたりする前に判断します。相続財産を処分すると単純承認とみなされ、放棄ができなくなることがあるからです(民法921条1号)。民法921条1号は、財産を守るための保存行為は処分にあたらないとしていますが、どこまでが保存行為かの線引きは難しいので、迷うときは相続放棄の手続きを読み、司法書士や弁護士に相談してから動きます。

家財の整理を業者に頼むときは、作業の範囲と料金を書いた見積を複数の業者から取り、処分してよい物と残す物を先に分けておきます。通帳や権利証、契約の書類、写真は、相続の手続きや形見分けに使うので、業者に任せる前に家族で探します。

持ち家の管理と死後事務

持ち家が空き家になるときは、電気・ガス・水道の止め方、郵便の扱い、防犯と火災保険の名義を確かめます。電気や水道を止めると換気や凍結の対策ができなくなることもあるので、管理の方法を決めてから解約します。郵便の扱いは亡くなった人の郵便物、公共料金は携帯・公共料金にまとめています。

遠方の親の手続きを、司法書士や行政書士などに頼むこともできます。本人が元気なうちに、亡くなった後の解約や家財の処理を任せる相手と委任契約を結んでおく方法もあり、法務省と国土交通省は賃貸住宅向けにモデル契約条項を公表しています。生きているうちの準備は、エンディングノートの渡し方やエンディングノートのテンプレートで、連絡先や契約の一覧を書き残しておくと進めやすくなります。

よくある質問

一人暮らしの親が亡くなったとき、最初に何をしますか?
警察や病院からの連絡を受けたら、亡くなった場所へ行き、遺体の引き取りと葬儀の手配を決めます。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内なので、葬儀社と相談しながら、届け出る市区町村と火葬の日取りを決めます。
賃貸の部屋はすぐに解約しないといけませんか?
賃借権は相続人に引き継がれるので、解約するかどうかは相続人が決めます。家賃はかかり続けるので、大家や管理会社に早めに連絡し、家財の整理と明け渡しの日を相談します。相続放棄を考えているときは、家財を処分する前に判断します。
遠方で何度も行けないときは?
葬儀と火葬の手配は葬儀社に、家財の整理は業者に、相続の手続きは司法書士などに頼むことができます。現地に行ける日に、郵便物や通帳、契約の書類をまとめて持ち帰ると、あとの手続きを自宅から進められます。

出典

最終確認日 2026年10月19日。期限と手続きは、法令と各機関の案内にもとづく一般的な目安です。受け付けや支給の判断は、市区町村・年金事務所・健康保険・金融機関・契約先など、それぞれの窓口が行います。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。相続をどうするかの判断は、司法書士・税理士・弁護士、または法務局・税務署・家庭裁判所の相談窓口で確かめてください。