そろばんノート

相続

死亡後の手続きの優先順位

死亡後の手続きは、当日から数日のうちに死亡診断書を受け取って死亡届と火葬の許可、14日までに年金・健康保険・介護保険・世帯主の届、1か月ごろまでに契約・郵便・銀行の連絡、3か月からは相続の判断と税の申告、という順に進みます。期限が法律で決まっているものを先に済ませ、誰がどこへ出すかを一覧にしておくと、家族で手分けできます。

この内容は2026年10月19日時点のものです。

最終確認日 2026年10月19日

下の表は、亡くなった日からの手続きを、急ぐものから順に並べたものです。期限の欄は法律や窓口の案内による区切りで、「1か月ごろまで」は法律の期限ではなく、ほかの手続きの前に済ませておくと楽になるものの目安です。日付で知りたいときは、遺産相続の期限 計算ツールで死亡日を入れると日付が出ます。

いつまで手続き誰が・どこで根拠関連ページ
当日から数日死亡診断書または死体検案書を受け取る医師から家族が受け取る(警察が関わったときは調査のあと)戸籍法86条、医師法21条一人暮らしの親
当日から数日葬儀と火葬の日取りを決める家族(喪主)と葬儀社墓地埋葬法3条(死亡後24時間を過ぎてから)葬儀の流れ(しきたりノート)
7日以内死亡届と火葬許可の申請届出人(同居の親族など)が、死亡地・本籍地・届出人の所在地の市区町村へ戸籍法86条〜88条、墓地埋葬法5条・8条期限の日付
10日・14日以内年金受給権者死亡届(マイナンバーが収録されていれば原則不要)遺族が年金事務所へ(障害基礎・遺族基礎年金だけの人は市区町村)日本年金機構の案内(厚生年金10日、国民年金14日)年金の手続き
5日・14日以内健康保険の資格喪失と保険証・資格確認書の返却会社員は会社へ返し、会社が5日以内に届出。国民健康保険と後期高齢者医療は市区町村健康保険法施行規則29条、高齢者医療確保法施行規則26条返すもの
14日以内介護保険の資格喪失と被保険者証の返却家族が市区町村へ介護保険法施行規則32条窓口ごとの一覧
14日以内世帯主の変更届(残る世帯員が1人なら不要)新しい世帯主や世帯員が市区町村へ住民基本台帳法25条、同法施行令25条持ち物
1か月ごろまで(目安)公共料金・携帯・カードの名義変更や解約、免許証とパスポート家族が契約先、警察署、旅券の窓口へ各社の契約、旅券法18条・19条契約と返納
1か月ごろまで(目安)郵便物の扱いを決める家族が差出人ごとに連絡し、配達を担当する郵便局に相談日本郵便のQ&A郵便物
1か月ごろまで(目安)取引のあった銀行に連絡する家族が金融機関へ(連絡と同時に口座の取引は原則として制限)全国銀行協会の案内、民法909条の2銀行口座
2年・3年・5年の時効葬祭費・埋葬料・高額療養費(2年)、生命保険金(3年)、未支給年金・遺族年金(5年)遺族が市区町村・健康保険・保険会社・年金事務所へ健康保険法193条、保険法95条、国民年金法102条未支給年金
3か月以内相続放棄・限定承認をするかの判断相続人が家庭裁判所へ民法915条相続放棄
4か月以内準確定申告(亡くなった年の所得税)相続人が税務署へ所得税法125条準確定申告
10か月以内相続税の申告と納付財産を取得した人が税務署へ相続税法27条相続の流れ
3年以内相続登記の申請不動産を取得した相続人が法務局へ不動産登記法76条の2相続登記

当日から数日:死亡診断書、葬儀、死亡届

病院で亡くなったときは、医師が死亡診断書を書きます。自宅などで医師がいないまま亡くなったときは、警察が死因と身元を調べ(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律4条)、そのあと医師が死体検案書を書きます。死亡届には、このどちらかを付けます(戸籍法86条)。

死亡届の期限は、死亡の事実を知った日から7日以内で、知った日を1日目に数えます(戸籍法86条・43条)。届出の義務があるのは同居の親族、その他の同居者、家主や土地の管理人の順で、同居していない親族も届け出ることができます(戸籍法87条)。届け出る先は、亡くなった場所、本籍地、届出人の所在地のどれかの市区町村です(戸籍法88条・25条)。

火葬には市区町村長の許可が要り、死亡届と同時に申請すると火葬許可証が出ます。火葬は死亡から24時間を過ぎてからでないとできません(墓地、埋葬等に関する法律3条)。火葬が終わると、火葬場が火葬許可証に記入して返すので、それを納骨のときに墓地や納骨堂に出します(同法14条・16条)。札幌市手稲区は、返された1枚が納骨の際に必要になると案内しています。

14日まで:年金、健康保険、介護保険、世帯主

年金を受けていた人が亡くなったときの年金受給権者死亡届は、日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば原則として出さなくてよくなっています。それでも、まだ受け取っていない年金を請求する届は別に要ります。届が要る場合の期限は、厚生年金が10日、国民年金が14日以内です。

会社の健康保険に入っていた人の保険証や資格確認書は会社に返し、会社が5日以内に資格喪失の届を出します(健康保険法施行規則29条)。後期高齢者医療と介護保険は、資格を失ってから14日以内の届が規則で決まっています(高齢者の医療の確保に関する法律施行規則26条、介護保険法施行規則32条)。国民健康保険の扱いは市区町村の案内で確かめます。文京区は死亡届と世帯主変更が済めば国民健康保険の世帯主の変更を区が行い、亡くなった人の資格確認書は破棄か返却としています。

世帯主が亡くなって世帯に2人以上が残るときは、14日以内に世帯主の変更を届け出ます(住民基本台帳法25条)。残った世帯員が1人だけなら、その人は届けなくてよいと政令で決まっています(住民基本台帳法施行令25条)。文京区のように、世帯主を自動で決めて通知を送り、別の人にしたいときだけ届けるという市区町村もあります。

1か月ごろまで:契約、郵便、銀行、請求

金融機関は、亡くなったという連絡を受けると、その人の口座の入出金を原則として止めます(全国銀行協会)。公共料金やカードの代金がその口座から引き落とされているなら、銀行に連絡する前後で支払いの方法を変えておくと、未払いのまま請求が続くことを防げます。葬儀の費用などで預金が要るときは、遺産分割の前でも、預金額の3分の1に法定相続分を掛けた額までを、相続人が単独で払い戻してもらえます(民法909条の2、1つの金融機関で150万円が上限)。

亡くなった人あての郵便物は、家族が申し出ても転送してもらえないと日本郵便は案内しています。郵便で届く請求書や通知は、差出人ごとに連絡して送り先を変えてもらうのが確実です。電気・ガス・水道や携帯電話は、家族が住み続けるか、空き家になるかで、名義の変更にするか解約にするかが決まります。

請求には時効があり、葬祭費・埋葬料と高額療養費は2年、生命保険金は3年、未支給年金と遺族年金は5年です。期限に余裕があっても、ほかの手続きで戸籍謄本や住民票の除票を集めるときに、まとめて請求できるものを確かめておくと、書類を取り直す回数が減ります。

3か月から:相続の判断と税

借金のほうが多いかもしれないときは、自分が相続人になったと知った時から3か月以内に、相続放棄か限定承認をするかを決めます(民法915条)。その前に亡くなった人の家財を処分したり、預金を自分のために使ったりすると、相続を単純に承認したとみなされることがあります(民法921条)。

亡くなった年の所得の準確定申告は、相続の開始を知った日の翌日から4か月を経過した日の前日まで(所得税法125条)、相続税の申告は知った日の翌日から10か月以内です(相続税法27条)。不動産を相続したら、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請します(不動産登記法76条の2)。分け方や税の計算は相続手続きの流れと期限で扱っています。

家族で手分けするとき

手続きの窓口は、市区町村、年金事務所、健康保険、金融機関、契約先、家庭裁判所や税務署と散らばっています。窓口ごとにまとめた死亡後の手続きチェックリストを印刷して、担当する人の名前を書き込んでおくと、同じ書類を二人で取りに行くことがなくなります。

戸籍謄本や住民票の除票は、年金・保険・銀行・相続登記のそれぞれで求められます。何通要るかを先に数えるか、法務局で法定相続情報一覧図の写しを作っておくと、戸籍の束を何度も出さずに済む窓口があります。

このテーマのページ

ページ内容
死亡後の手続きチェックリスト(印刷用)窓口ごとの一覧と持ち物、A4のPDF
亡くなった人の郵便物転送できないこと、差出人への連絡、郵便局への相談
携帯・公共料金・カード・免許証・パスポート解約と名義変更、返すものと返さなくてよいもの
亡くなった人の銀行口座取引の制限、仮払い(1金融機関150万円まで)、休眠預金
亡くなった人の年金の手続き死亡届、未支給年金、寡婦年金と死亡一時金、葬祭費と埋葬料
一人暮らしの親が亡くなったとき遠方からの順番、賃貸と家財、死後事務

よくある質問

死亡届は誰が出しますか?
届出の義務は同居の親族が最初で、次にその他の同居者、家主や土地の管理人の順です(戸籍法87条)。同居していない親族や後見人なども届け出ることができます。窓口に届書を持っていく人の扱いは、届け出る市区町村に確かめます。
土日や夜に亡くなったときは?
死亡届の受け付けの時間と、火葬許可証をその場で出せる時間は、市区町村ごとに決まっています。札幌市手稲区は、受付時間の外は死亡届を預かるだけで火葬許可証は出せないと案内しているので、火葬の日取りを決める前に確かめます。
亡くなった人の手続きはどれから始めればいいですか?
期限が7日の死亡届と火葬の許可が最初で、その次が14日までの年金・健康保険・介護保険・世帯主の届です。そのあとに契約や銀行への連絡、3か月からの相続の判断と続きます。

出典

最終確認日 2026年10月19日。期限と手続きは、法令と各機関の案内にもとづく一般的な目安です。受け付けや支給の判断は、市区町村・年金事務所・健康保険・金融機関・契約先など、それぞれの窓口が行います。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。相続をどうするかの判断は、司法書士・税理士・弁護士、または法務局・税務署・家庭裁判所の相談窓口で確かめてください。