亡くなった人の年金の手続き
亡くなった人の年金は、受給をやめる死亡届(マイナンバーが収録されていれば原則不要)、まだ受け取っていない未支給年金の請求、遺族年金や寡婦年金・死亡一時金の請求の順に進めます。健康保険からは埋葬料(会社の健康保険は5万円)や葬祭費が出て、請求の時効は2年です。
この内容は2026年10月19日時点のものです。
最終確認日 2026年10月19日
年金と葬祭の給付の窓口
亡くなった人の年金の手続きは、受給をやめる届、まだ受け取っていない年金の請求、遺族が受け取る年金や一時金の請求の3つに分かれます。健康保険からは、葬儀や埋葬の費用の一部として、埋葬料や葬祭費が出ます。
| 手続き | 窓口 | 期限・時効 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 年金受給権者死亡届 | 年金事務所(障害基礎・遺族基礎年金だけの人は市区町村) | 厚生年金10日・国民年金14日以内(マイナンバー収録なら原則不要) | 日本年金機構の案内 |
| 未支給年金の請求 | 年金事務所 | 5年 | 国民年金法19条 |
| 遺族年金の請求 | 年金事務所など | 5年 | 国民年金法102条 |
| 寡婦年金の請求 | 住所地の市区町村(年金事務所でも可) | 5年 | 国民年金法49条・102条 |
| 死亡一時金の請求 | 住所地の市区町村(年金事務所でも可) | 2年 | 国民年金法52条の2・102条4項 |
| 埋葬料・埋葬費(会社の健康保険) | 加入していた健康保険 | 2年 | 健康保険法100条・193条 |
| 葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療) | 亡くなった人が住んでいた市区町村 | 2年 | 文京区の例 |
年金受給権者死亡届
日本年金機構は、マイナンバーが収録されている人の年金受給権者死亡届は原則として不要としています。届が要る場合は、厚生年金が10日、国民年金が14日以内に、年金証書と死亡を明らかにできる書類を添えて出します。提出は年金事務所への郵送が基本で、対面で相談したいときは予約して年金事務所か街角の年金相談センターに行きます。電子申請もできます。
届が遅れて、亡くなった日の翌日以後の分まで年金を受け取ったときは、後で返すことになります。年金の振込口座を解約していないと入金されることがあるので、口座の扱いは金融機関に相談します。
未支給年金と遺族年金
年金は後払いなので、亡くなった月分までの年金のうちまだ受け取っていない分が残ります。これを未支給年金といい、亡くなった人と生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族の順に請求できます(国民年金法19条)。請求の書類と、受け取ったときの税金の扱いは未支給年金とはにまとめています。
亡くなった人に生計を維持されていた家族は、遺族年金を受け取れることがあります。受け取れる人と金額は遺族年金はいくら?で扱っており、請求の時効は5年です(国民年金法102条)。
寡婦年金と死亡一時金
国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除の期間が10年以上ある夫が亡くなったとき、10年以上婚姻関係が続き、生計を維持されていた妻は、60歳から65歳になるまで寡婦年金を受けられます(国民年金法49条)。夫が老齢基礎年金や障害基礎年金を受けたことがあると対象になりません。
第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある人が、老齢基礎年金も障害基礎年金も受けずに亡くなったときは、生計を同じくしていた遺族に死亡一時金が出ます(国民年金法52条の2)。遺族基礎年金を受けられる人がいるときは出ません。両方を受けられる妻は、寡婦年金か死亡一時金のどちらか一方を選びます(52条の6)。死亡一時金の時効は2年(102条4項)で、寡婦年金は年金なので5年です。
企業年金・iDeCo、埋葬料と葬祭費
確定拠出年金(iDeCo・企業型)の加入者だった人が亡くなると、残っていた資産は遺族に死亡一時金として支給されます(確定拠出年金法40条、iDeCoは73条で同じ扱い)。受け取る人は、本人が生前に指定していればその人、指定がなければ配偶者が最初の順位です(41条)。確定給付企業年金などの遺族への給付は、規約によるので加入していた基金や会社に確かめます。税金の扱いを含めた制度のしくみは確定拠出年金(iDeCo・企業型)のページにあります。
会社の健康保険の被保険者が亡くなると、生計を維持されていた人に埋葬料50,000円が出ます。そういう人がいないときは、実際に埋葬をした人に5万円の範囲で費用の実額が埋葬費として出ます(協会けんぽ)。被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料5万円が出ます。
国民健康保険や後期高齢者医療の人が亡くなると、葬祭を行った人に葬祭費が出ます。金額は市区町村ごとに決まっていて、文京区は7万円、葬祭を行った日の翌日から2年以内の申請です。会社を辞めて3か月以内に亡くなったときは、前の健康保険から埋葬料が出て、国民健康保険の葬祭費は出ないとしています。
よくある質問
- 年金の死亡届は出さなくていいのですか?
- 日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、年金受給権者死亡届を原則として出さなくてよくなっています。ただし未支給年金の請求は別に必要で、請求書は死亡届と一体の用紙になっています。
- 亡くなった後に振り込まれた年金はどうなりますか?
- 亡くなった月分までは未支給年金として遺族が請求できますが、それより後の月の分は返します。届が遅れると多く受け取りすぎることになるので、早めに手続きをします。
- 寡婦年金と死亡一時金は両方受け取れますか?
- 両方を受けられる場合でも、どちらか一方を選びます(国民年金法52条の6)。寡婦年金は60歳から65歳になるまでの年金、死亡一時金は一度だけの支払いで、どちらが有利かは年齢や受給中の年金によって変わるので、年金事務所で確かめます。
出典
最終確認日 2026年10月19日。期限と手続きは、法令と各機関の案内にもとづく一般的な目安です。受け付けや支給の判断は、市区町村・年金事務所・健康保険・金融機関・契約先など、それぞれの窓口が行います。このページは一般的な情報で、個別の助言ではありません。相続をどうするかの判断は、司法書士・税理士・弁護士、または法務局・税務署・家庭裁判所の相談窓口で確かめてください。