そろばんノート

個人間の契約書

親子間の金銭消費貸借契約書

国税庁 No.4420 と相続税法基本通達による一般的な説明です。個別の判断は税理士に確かめてください。

最終確認日 2026年10月15日

親から子へお金を貸すとき、税務上は「本当に貸し借りなのか、実はあげたのではないか」が問われます。国税庁は、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にならないとしています(国税庁 No.4420)。一般的に、そう認められるために整えておく点は次の5つです。

  1. 契約書を作る(日付、金額、返済の方法、利息の有無を書く)
  2. 返済できる額と期間にする(出世払いや「ある時払いの催促なし」は贈与とされる)
  3. 利息の扱いを決めて書く(無利息なら利息に相当する額が贈与とされる場合があることを知っておく)
  4. 振込で渡し、振込で返す(通帳に記録が残る)
  5. 途中で返済を免除しない(免除した年に贈与になる)

出世払いや催促なしは贈与

国税庁は、親子の間で「ある時払いの催促なし」や「出世払い」といった約束の場合は、借入金そのものが贈与として扱われるとしています。返済の期日と金額を決め、その約束どおりに返していることが、貸し借りであることの裏付けになります。返済の額は、借りる人の収入から無理なく返せる額と期間にしておきます。

無利息でよいか

無利息で借りた場合は、本来なら払う利子に相当する額の利益を受けたとして、その分が贈与とされる場合があります。一方、相続税法基本通達9-10は、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、「強いてこの取扱いをしなくても妨げない」としています(国税庁 相続税法基本通達9-10)。どの程度なら少額かは個別の判断になるため、金額が大きい場合は税理士に確かめてください。

利息を付ける場合は、契約書に年何パーセントかを書き、返済予定表の利息の欄と合わせて、実際に払います。返済予定表は返済予定表メーカーで作れます。

返済の記録と免除

返済は、子の口座から親の口座への振込にすると、毎月の返済が通帳に残ります。現金で返すと記録が残りにくく、返していないと見られるおそれがあります。返済を途中でやめて、親が残りを免除すると、免除した額はその年に親から子への贈与とみなされます(相続税法第8条)。1年間にもらった額の合計が110万円以下なら贈与税はかかりません(贈与税の早見表)。

親の口座に子の名義でお金を貯めておくような名義預金の考え方は贈与税の申告のページにまとめています。

住宅資金を親から借りるとき

親から借りたお金は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象になりません。国税庁は、親族や知人からの借入金はすべて対象外としています(国税庁 No.1211-1)。一方、親からもらう住宅取得等資金には、一定の額まで贈与税がかからない特例があります(住宅取得等資金の贈与の非課税)。

一部をもらい、一部を借りる形にする家もありますが、もらう分と借りる分を分けて、それぞれの書面と記録を残すことが前提です。どの組み合わせにするかは、家族の事情と税理士の判断によります。

よくある質問

契約書は公正証書にしないといけませんか?
必要ありません。自分たちで作った契約書でも貸し借りの記録になります。
親が亡くなったら、残りの借金はどうなりますか?
親の相続財産(貸付金)になり、相続人が引き継ぎます。借りていた子が相続人の場合は、相続の手続きの中で扱いを決めます。
兄弟姉妹の間で貸し借りする場合も同じですか?
国税庁の説明は親子の例ですが、返済の能力と状況から貸し借りかどうかを見る考え方は、親族間でも同じです。

計算の前提と出典

最終確認日 2026年10月15日。ここに書いた内容は、法令と国税庁・国土交通省などの公表資料による一般的な説明です。個別の契約や税金の扱いは、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に確かめてください。このページは、どなたかの個別の事情について判断するものではありません。